新緑シーズン真っただ中です!
写真はシナノキ(科の木)。
黄緑色のへら状のものは「苞」といい、花の根元のあたりにつく特殊化した葉っぱです。この時期はまだつぼみですが、花を咲かせて実を結ぶと、この苞が羽のように風を受けて種を飛ばします。
とはいえ飛距離はさほど長くはなく、せいぜい「親の木の日影にならない」程度。
この時期によく飛んでいるヤナギの綿毛とは雲泥の差です。
こちらはムカゴトラノオ(零余子虎の尾)。
穂の上の方についている白い部分はお花、そして下の方についている赤茶色のものはつぼみでも実でもなく、「むかご」です。
むかごは地上部につく芋のようなもので、ここから新しい芽が出ます。
実とは違って出てくる芽は親のクローンですが、受粉の手間が省ける分、手軽に仲間を増やせます。
こちらはシロバナノヘビイチゴ(白花の蛇苺)。
平地でよく見かけるヘビイチゴは黄色い花で、美味しくない実をつけますが、こちらは白い花で、人間が食べても美味しい実を付けます(上高地では食べられませんが)。
実を食べてもらって種を運ばせるという戦略上、道沿いの動物が通りやすい場所に生えているというのも上手くできているところです。
人の目を楽しませてくれるお花のシーズンは、植物にとっては繁殖シーズン。
そんなところにも注目すると、植物の不思議な生活の一端がちょっと見えてきます。
詳しく知りたい方はガイドウォークもどうぞ!
今朝の気温は朝8時で12℃、11時現在でも変わっていません。
本日は全国的に荒れたお天気のようですが、上高地でも強い風が吹いています。
枝などが風で折れて落ちてくる可能性がありますので、ご散策は風が弱まったタイミングがおすすめです。
さくら