今回も、講習会「Discover Kamikochi~上高地を学ぶ~」より内容をさきどりでご紹介します。
次回2月28日(日)のテーマは「上高地の歩き方」。
午前に実施の「ビギナー講習」では、目的別のおすすめ散策ルートや季節ごとのみどころ、おすすめ写真スポットなど、ガイド目線の上高地情報をお届けします。
午後の「ステップアップ講習」では、昨年2020シーズンの上高地についての特集と、これまで質問のあったトピックスにお答えします。
今日は午後のステップアップ講習より、「上高地はどこからどこまでを指すか?」です。
まずはイメージ
上高地は、周囲を山に囲まれた、梓川沿いの平地です。
大きな湖の底に砂がたまったのが地形の元になっています。
白いすじのように見えるのが梓川。写真の奥から手前方向に流れています。
これを見ると、特に写真横方向に関しては、地形の境界がかなりはっきりしているように見えますね。
とはいえ、遊歩道は基本的にはこの写真の縦方向、梓川沿いにつけられていますので、写真横方向の境界が重要視されることはあまりありません。
この平地の中に、
大正池や、
河童橋や、
明神池などの、有名な観光スポットが含まれます。
そしてそんな上高地の入口にあるのは、
上高地トンネルと、
釜トンネル。
釜トンネルの入り口にはゲートが設けられており、ここから先の県道上高地公園線には「マイカー規制」がかかっています。
上高地に入るにあたっての、関所のような位置づけです。
ここから先が上高地、というのが、おそらく一般的なイメージでしょう。
一方、上流側はというと…
河童橋から徒歩7㎞の徳沢は、奥上高地なんて呼ばれ方をすることもあり、上高地の中ではかなり山に近い場所、というようなイメージです。
そして、さらに奥にあるのが横尾です。
冒頭で「上高地は川沿いの平地」と書きましたが、平地の終点がこの横尾地区。徳沢までは観光客の方も多いですが、ここを訪れる方はほとんどが登山目的です。
そういったこともあって、ここを一般的な「上高地」のイメージに含めるかどうかは、人によって違うような気がします。
住所は?
さて今度は、行政区分を見てみましょう。
「上高地」という住所があるのかといえば……あります。
例えば、我々NATUREGUIDE FIVESENSE(ネイチャーガイドファイブセンス)の所在地、「五千尺ホテル上高地」の住所はこうです。
長野県 松本市 安曇 上高地 4468
ばっちり上高地が入っています。
では、どこまで住所に「上高地」が入るかというと。
下流側は、さきほど「上高地の入口」として紹介した、釜トンネルの外まで含まれます。
釜トンネル下流の、中の湯温泉旅館さん、坂巻温泉旅館さんのある場所の住所も、同じ「松本市安曇上高地」です。
さて上流はというと……。
河童橋から片道6時間、紅葉の名所として有名な「涸沢」。
実はここも同じ、「松本市安曇上高地」です。
そして余談ですが、五千尺ホテルの河童橋対岸、「THE PARKLODGE上高地」と番地が同じです。
河童橋周辺では、梓川左岸側に「4468」、右岸側に「4469-1」という番地があてられているのですが、この右岸側の番地がなんと山の上まで続いているんです。
番地がおおざっぱすぎるためか、上高地内の宿泊施設では、ホームページなどに記載の住所に番地を入れていないところも多いです。
住所が「長野県松本市上高地」だけだと、なんだか足りない気がするかもしれませんが……そんな事情ですので、施設名さえ書かれてあれば、郵便物などは問題なく届きます。
※冬季閉鎖中(11月中旬~4月中旬)は届きませんのでご注意ください!
国立公園内の区分
行政区分で見る「上高地」は、一般的なイメージよりもかなり広いことが分かりました。
さて最後に、環境省が管理する「中部山岳国立公園」としての区分を見てみましょう。
上高地は自然保護のための様々な法律に守られていますが、中心になっているのが「自然公園法」です。
これに基づいた管理計画の中で、上高地は
「中部山岳国立公園 上高地管理計画区」
と名付けられています。
これには明確な境界線が引かれており、下流側は釜トンネルから、上流側は、徳沢と横尾の間にある「新村橋」まで。
最初にご紹介した「一般的なイメージ」と、ほぼ一致します。
管理計画は、そのエリアをどう利用するかを抜きには考えられませんので、利用者から見たイメージと一致するのは納得のできるところです。
ちなみに、2014年に上高地の現状や目標をまとめた「上高地ビジョン」が策定されており、その中では以下のように書かれています。
“本ビジョンの対象区域は、長野県松本市と安曇野市にまたがる中部山岳国立公園上高地管理計画区とします。”
“なお、本ビジョンでは地域概念として、釜トンネル~横尾までの盆地上の平坦地を「上高地」、上高地を囲む槍・穂高連峰や常念山脈の山々を「山岳地」として表現するとともに、項目名など簡潔な表現が適当な場面では、山岳地も含め広義に「上高地」として表現しています。”
(「上高地ビジョン2014」より)
そんなわけで、「上高地はどこからどこまで?」の結論としては「範囲の決め方は色々ある」、「一般的には、下流は釜トンネル、上流は徳沢~横尾のあたりまでを上高地と呼ぶ」というあたりに落ち着きます。
皆様のふとした疑問を深堀りすると、意外と面白いエピソードが隠れていることも多いです。
講習ではこのほかにも様々な質問を取り上げますので、ぜひお気軽にご参加ください!
オンライン講習、ご予約受付中です!
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次回の講習会は2月28日(日)「Discover Kamikochi~上高地を学ぶ~」第5回「上高地の歩き方」です。
【開催日程】
第五回「上高地の歩き方」:2021年2月28日(日)
※各回の内容は独立しておりますので、どの回も1回からご参加可能です。
【スケジュール・参加費】
●対面講習
・10:30-12:30 ビギナー講習(各回2,000円)
・14:00-15:30 ステップアップ講習(各回1,500円)
●オンライン講習(対面講習をYoutube Liveにて同時配信)
・10:30-12:30 ビギナー講習(各回1,500円)
・14:00-15:30 ステップアップ講習(各回1,000円)
※参加費は全て税込みです。
※対面講習は講習当日、現金/PayPayでのご精算です。
※オンライン講習はクレジットカード/コンビニ・ATM/PayPal・銀行口座振替での事前精算です。
※新型コロナウイルス感染症の状況に鑑みまして、今年度は懇親会の実施を見送らせていただきます。
【会場・アクセス(対面講習)】
信毎メディアガーデン 3階スタジオ
JR松本駅から徒歩約8分
地図および周辺の有料駐車場は[こちら]をご覧ください。
【対面講習の感染防止対策について】
・対面講習ご参加の方は、必ずマスクの着用をお願いいたします。
・当日発熱や風邪の症状のある方は、ご参加をお断りさせていただく場合がございます。
・講師・スタッフはマスク・手袋を着用いたします。
・会場は空調設備によって常時換気されております。
・会場キャパシティの半分(20名様)を定員とさせていただきます。
・会場入り口に手指消毒用のアルコールを設置いたします。
※対面講習をお申込み済みの方でオンライン講習への振り替えをご希望の方は、お手数ですが[お問い合わせフォーム]より「オンライン講習への振り替え希望」と書いて送信いただいた上、[オンライン講習予約フォーム]よりご希望のオンライン講習をお選びください。
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★上高地を自然を学ぶ講習会、12月13日より開催しています!★