今回からシリーズでお届けするのは、上高地のおすすめエリアの紹介です。
初回の今回は、やっぱりここ!
上高地といえば!そう、河童橋です。
もはや紹介するまでもない場所かもしれませんが一応基本情報から。
河童橋は、バスの終着点・上高地バスターミナルから徒歩5分、梓川にかかる木造の吊り橋です。
ここからの梓川と穂高連峰の眺めは上高地の風景の代名詞となっており、上高地に来たほぼ全員が訪れる場所。ホテルやお土産屋さんも集まっていて、上高地観光の中心地となっています。
ちなみに、ネイチャーガイド ファイブセンス(旧称:上高地ナショナルパークガイド)の事務所も河童橋たもとにあります。「上高地ガイド」の看板が目印。ぜひお出でくださいねー。
こちらが、河童橋から見える穂高連峰と梓川。この景色を求めて上高地にいらっしゃる方が非常に多いです。
で、いざその写真を撮ろう!ということになったとき、橋の上でカメラを構える方が多いのですが、橋の上だと、揺れたり吊り橋のワイヤーが写りこんだり人が次々に通ったりとなかなか大変なので…
橋の脇、このあたりから撮るのがポイントです。
穂高連峰の反対側、下流方向には焼岳も見えます。この山、活火山で常に水蒸気を出しており、多い日には肉眼でも白い水蒸気が立ち上るのが見えます。
夕方、逆光の中に見える焼岳が格好良いです。
橋の幅は3mほど、長さは40m弱程度。
けっこう広々していますが、一番混雑する時期だと渡りきるのにけっこう時間がかかります。ちなみに夜、橋の上で寝転がって星を見る方もいらっしゃるので(かなり寒いですが、星は綺麗です)踏んだり踏まれたりしないようにご注意くださいね。
それからよく聞かれるのが、「河童橋」という名前の由来。これも諸説あって定かではないのですが…
一応よく言われているのは、次のようなお話です。
昔、まだこの場所に橋がなかった頃、人々は川を歩いて向こう岸まで渡っていた。その際、濡れないように服を脱いで頭の上に載せて渡っていたので、それが河童に見えたことから、河童の名がついた。
一応補足しておくと、梓川、相当冷たいです。季節によっても多少違いますが、真夏でもせいぜい10℃くらいだと思います。じゃぶじゃぶ水遊びという気にはあまりなれません。
…昔の人は逞しい。
ちなみに、江戸時代には木を切り出すために杣(そま)と呼ばれた木こり達が上高地に来ていたそうです。
初めて橋がかかったのは明治時代とも言われていますが、実はこれ、はっきりとはわかっていません。
ただ、最初は「刎ね橋」という構造の橋で、初めて吊り橋になったのは1910(明治43)年といわれています。2010年には、河童橋吊り橋100周年を記念した様々な催しが実施されました。ちなみに現在の橋は5代目の吊り橋で、カラマツ製。
刎ね橋も吊り橋も、川の中に橋脚を立てない構造の橋です。梓川はけっこう増水する川なのですが、流木がぶつかったり橋が流されたりしないようにちゃんと考えて作ってあるんですね。
ちなみに河童橋を下から覗くと、水道管が通っているのが見えます。河童橋右岸・五千尺ロッヂの水道水は、もとは対岸・五千尺ホテル側の伏流水。河童橋を通って運ばれてきています。
さてここからは、河童橋の折々の表情をご紹介します。
開山直前4月中旬、吹雪の中の河童橋。川沿いは風の通り道なので、お天気が荒れると河童橋には強風が吹き荒れます。
その後も、靄がかかったり…
霜が降りたり。
日ごとにいろんな顔を見せてくれます。
なお河童橋は上高地の中心地なので、混雑するときはなかなかに混雑します。静かな河童橋を楽しみたいと思ったら、平日や、早朝・夕方を狙うのが一番です。
私たちネイチャーガイド ファイブセンス(旧称:上高地ナショナルパークガイド)では、朝の静かな時間を楽しむ早朝コースもありますよ。
ガイドについてはこちらから。
早朝の河童橋。人のいない河童橋を見ると、なんだか得した気分になります。
賑やかなのも、悪くはないですけどね。
ちなみにこちらは閉山期間中の様子です。今頃はこんな感じでしょうか…。
河童橋は上高地の中でも、誰もが訪れることが出来る場所。山の景色に目を奪われがちではありますが、橋そのものにも歴史や工夫があります。
訪れた際にはぜひ、そんなことも思い出してみてくださいね。
さくら