こんにちは。上高地ネイチャーガイドファイブセンスの「さくら」です。
11月16日~4月16日は上高地の冬期閉鎖期間。
この間は、上高地の様々なお役立ち情報を「上高地コラム」としてお届けしています。
さて、今回のテーマは「上高地の気温」。
上高地が寒い場所、あるいは避暑地という印象は多くの方がお持ちかと思いますが、実際、どれくらい寒いの? どんな服装を準備したら良いの? という具体的な情報まではなかなかイメージしにくいですよね。
今回はそんな方向けに、季節ごとの気温とおすすめの服装をまとめてご紹介します!
上高地、冬季は入れません!
まず、一般の方が上高地に観光で入れる期間は、4月17日~11月15日の約7か月間のみ。
そのためこちらのブログで紹介するのは、この開山期間中の気温のみです。

冬の休業中は、雪に閉ざされ、遭難の危険がある冬山です。雪崩や地吹雪が頻発し、気温は氷点下20℃ほどになることも。
休業中は宿泊や飲食店だけではなく、バスやタクシーなどの交通機関も営業しておらず、上高地へ入ることができません。
冬山登山として釜トンネル・中の湯ゲートより徒歩で入山する場合は、[上高地冬期入山ルール]を必ずご確認ください。
上高地の寒さはどれくらい? 季節ごとの気温と服装
上高地の年間平均気温はおよそ6.5℃。北海道の釧路市と同程度の気温です。
なお、下記の情報は2025年を基準にしています。気温は年によっても変わりますので、幅を持たせた服装をご準備ください。
4月中旬~5月上旬(ゴールデンウィーク)の上高地:まだ残雪があります
一般の方が上高地に入れるようになる「交通機関開通」の4月17日時点では、遊歩道にまだまだ雪が残っています。
朝晩の気温は0~5℃程度、日中の気温は10~15℃程度。
朝晩は手袋やダウンジャケットが必要です。また、ゴールデンウィーク頃までは雪が降ったり吹雪になることもありますので、靴は防水の滑りにくいものが安心です。
一方で、5月は日差しが強い季節でもあります。晴れた日中は日除けの帽子が必要です。

5月中旬~6月上旬の上高地:新緑と花の季節
雪の心配がなくなり、花や緑も増えてきて、山の雪解け水で川の水量も豊富な、散策するのにちょうど良い季節です。
上高地で働く人におすすめの時期を聞くと、ほとんどの人がこの季節を答えると思います。
朝晩の気温は10℃前後、日中は15~20℃程度。
5月末になるとフリースが必要ない日が増えてきて、長袖シャツ+ウィンドブレーカー程度の上着で間に合うようになります。
山用のレインウェアがあると、雨具と防寒具を兼ねられるので便利です。

6月中旬~7月中旬の上高地:初夏と梅雨
上高地は「関東甲信」で梅雨入りしますので、平年通りであれば6月中旬~7月中旬頃が梅雨の期間となります。
気温は朝晩で15℃前後、日中で20~25℃程度。
雨の季節ではありますが、蒸し暑さはそれほどありません(上高地では夏でも空気自体が熱を持つ感じがあまりなく、日差しや風による体感温度の変化の方を大きく感じます)。
気温自体は長袖シャツ一枚で大丈夫なくらいの気温ですが、雨で濡れると体が冷えますし、雨を避ける場所がないエリアもたくさんあります。
7月上旬は特に強い雨が多くなりますので、しっかりした山用のレインウェアと傘の両方をご用意いただくのが安心です。
また、水溜まりやぬかるみも多いので、防水の靴や、ズボンの裾などを覆うカバー(登山用のスパッツ、ゲートル)があるとより快適に散策できます。

7月下旬~9月上旬の上高地:盛夏の気温
上高地で一番暑い季節(7月下旬~9月上旬)の気温は、朝晩が15℃前後、日中は25℃前後。
上高地には熱帯夜はなく、クーラーがない建物も多いような場所ですが、日差しが強いため日中はそれなりに暑さを感じます。
日向で長時間列に並んでいたり、お手洗いの少なさを警戒して水を控えてしまったりすると、熱中症になってしまう方も。
長時間外にいる方は、帽子などの日差し対策、水分・塩分補給、無理なく日陰で涼むなどの対策を取ってお楽しみください。
服装は、気温だけ見れば半袖のTシャツでも問題ないですが、虫や怪我などの対策を考えると、長袖シャツに長ズボンの方が安心です。
悪天候時は冷えますので、念のため薄手の上着を一枚お持ちください。
以前は、8月中旬、お盆の頃を過ぎると涼しくなりはじめ、朝の気温が10℃を切るようになっていましたが、最近は9月の上旬頃までじわじわと暑さが続きます。
とはいえ2025年も、8月末には10℃を切った朝がありましたし、9月下旬になれば霜が降りる日が出てきます。
9月にお越しの方は、薄手のフリース程度の上着があった方が安心です。

9月中旬~10月中旬の上高地:寒くなってきます
夏から秋に移り変わるこの時期が、年ごとの差が一番大きく、気温が読みにくい時期かもしれません。
また、平地はまだまだ暑いことが多いので、感覚がつかみにくい時期でもあります。
朝晩の気温は5℃前後、日中の気温が15~20℃。9月下旬頃になると霜が降りることも多いです。
フリースやダウンジャケットなどの暖かめの上着と、手袋などをご用意ください。

10月下旬~11月中旬の上高地:真冬の服装で!
上高地のシーズン中では一番寒い季節です。朝晩は氷点下になり、日中も5℃前後までしか気温が上がりません。
春と違って日照時間が短く、場所にもよりますが一日中日が当たらないようなところも出てきます。
ダウンジャケット、ネックウォーマー、厚手の手袋などなど、最大限の防寒をしてお越しください!

服装以外の上高地おすすめ装備・持ち物
雨具について
上高地の道は平坦なので傘も使用できますが、混雑する時期などはレインウェアの方がおすすめです。(荷物の防水も忘れずに!)
登山用のレインウェアが一枚あると、防寒具の代わりにもなるので便利です。
雨予報の日や雨の直後は、防水の靴があると安心です。
靴について
上高地の遊歩道は、高低差はほとんどない砂利道や木道です。
晴れた日であればスニーカーでも大丈夫ですが、舗装されている道は少なく水たまりやぬかるみが多くなりますので、トレッキングシューズなど防水の靴の方が安心です。
スニーカーの方は、防水スプレーなどを利用すると良いでしょう。
カバンについて
上高地では長距離の散策をすることが多いので、リュックサックなどの両手が空くものが基本です。
キャリーケースなどキャスター付きのものは、舗装されていない道では破損の可能性があります。必要な場合には、事前にホテルに送るなどすると安全です。
その他の持ち物について
飲み物、現金、モバイルバッテリー、ゴミ袋、レジャーシートなどがあると便利です。
上高地ライブカメラで服装チェック
上高地にいらっしゃる直前であれば、ライブカメラを見るのがおすすめ。
実際に上高地にいらしている方の服装をチェックできるので、イメージの参考にしやすいです。
道は平坦ですが、上高地は標高1500mの寒冷地、そして山の中です。
しっかりした準備をしてお越しください!
さくら
※上高地は冬期休業中です!
2026年4月までの約5か月間、上高地は冬季閉鎖となり、ホテル・レストラン・バス等の営業もありません。
冬の上高地へお越しの場合は、雪崩や地吹雪の危険がある中での冬山登山となります。
冬山登山でのお越しをご検討の方は、必ず[上高地冬期入山ルール]をご確認ください。
なお上高地の冬期休業中も、こちらのブログ、およびSNS(x(旧twitter), instagram, TikTok, YouTube)の更新は継続いたします。
リアルタイム情報の発信は月に一回程度となりますが、それ以外にもシーズン中の見どころや美しい風景などをご紹介していきますので、冬の間もぜひご覧ください。
また、冬期休業中のお電話および問い合わせフォームへの対応は、土日祝日、年末年始(12/20-1/6)をお休みとさせていただきます。
何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
上高地ゆったりウォーク2026年度分の予約を受付中!
2026年4月17日から始まる上高地シーズンの現地ガイド「上高地ゆったりウォーク」の予約受付を開始しました!
上高地をゆっくり歩きながら、風景・自然・歴史などをめいっぱい楽しむガイドウォークです。
詳細・ご予約はこちらから↓


皆様のお越しを、ガイド一同お待ちしております!
FIVESENSEの上高地冬期配信イベント
●Discover Kamikochi~上高地を学ぶ~
現地ガイドが講師を務める、上高地の座学講習会です。長野県松本市での対面講習と、YouTube中継のオンライン講習を同時開催!
第一回「上高地の花と樹木」 2026年1月18日(日)
第二回「上高地の鳥と動物」 2026年2月1日(日)
第三回「上高地の歴史」 2026年2月15日(日)
第四回「上高地の今」&懇親会 2026年3月8日(日)
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
●上高地オンラインガイドツアー【冬期】
「上高地オンラインガイドツアー」、2025年度冬期(2026年1月)の開催が決定いたしました!
開催日時:2026年1月25日(日)15:30-17:30
上高地を実際に歩いた散策風景の動画を見ながら、現地ガイドがリアルタイムで解説します。
ご自宅などお好きな場所から「YouTube」にてご覧ください。事前のお申し込みは不要です。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
皆様のご参加をお待ちしております!

