こんにちは。ネイチャーガイドファイブセンスのさくらです。
ここ最近の寒波では、麓の松本市街にも雪が降りました。
上高地のライブカメラは真っ白です。
さて今回のブログは、今週末、1月29日(日)開催の講習会「Discover Kamikochi~上高地を学ぶ~」より、講習内容の一部を先取りでご紹介します。
テーマは「シラカバとダケカンバの見分け方」。
高原の木として有名なシラカバですが、よく似た樹種にダケカンバがあり、ガイド中にも見分け方を聞かれる機会が多いです。
こちらは梓川沿いの写真。後ろに穂高連峰が写っていますね。
中央やや左の三本の幹(根本でつながっています)はダケカンバ、同じ並びのそれ以外の木はすべてシラカバです。
●シラカバとダケカンバの葉の違い
こちらがシラカバの葉、
そしてこちらがダケカンバの葉です。
・シラカバが小さく(5~8cm)やや分厚い感じ、ダケカンバはやや大きい(5~10cm)
・横向きの葉脈(側脈)が、シラカバは5~8対、ダケカンバは7~12対
・葉の基部が、シラカバは浅いハート形、ダケカンバは深いハート型
などが見分けのポイント。
私は側脈の数で見るのが一番わかりやすいと思っています(上述の数字だけ見ると7~8対の場合に区別がつきにくそうですが、上高地ではどっちつかずのものはそれほど多くない気がします)。
ただ、どの特徴に注目するにしても気を付けないといけないのは、同じ木につく葉でも形や大きさにはかなりばらつきがあるということです。
一枚の葉だけで判断せず、木全体を見て平均的な葉っぱをまず探すのが大切です。
●シラカバとダケカンバの幹と枝の違い
幹で見分けるのが、おそらく一番スタンダードな見分け方ではないでしょうか。
シラカバは、ペンキを塗ったかのような白い幹。ダケカンバは、やや赤みがかっていて樹皮がぺりぺり剥けています。
あまり若いうちは見分けがつきにくいですが、直径20cm以上の木であればだいたいこれだけでわかります。
なお樹皮の様子は樹齢によって変化していきます。
シラカバ:最初は白い→黒い横縞が増えてくる→だんだん黒っぽくなる
ダケカンバ:最初はつるっとして光沢がある、樹皮は薄くはがれる→ガサガサした樹皮がまとめてはがれるようになる
写真は太くなったダケカンバの樹皮。
細いものと太いもの、それぞれ典型的な幹を別々に覚えないといけない程度には様子が変わります。
ただこれはシラカバやダケカンバに限らずどの樹種でもだいたいそうなので、細い木と太い木の幹は基本的に別物と思っておいてください。
そしてもうひとつ、「シラカバは枝が白い」「ダケカンバは枝が黒い」という見分け方も言われるのですが……個人的には、これはちょっと難易度が高いかなと思っています。
シラカバもダケカンバも、出たばかりの枝はサクラの枝によく似た茶色い枝で、太くなるにつれてだんだんと白くなっていきます。
この白くなるタイミングが、ダケカンバよりシラカバの方が早いため、確かに同じくらいの太さの枝を比べるとシラカバが白、ダケカンバが黒になります。
が、タイミングの問題なので、枝の太さと色の関係をある程度見慣れてきてからでないとわかりにくいかもしれません。
●シラカバとダケカンバの芽吹きのタイミング
これも同じくタイミングの問題なので、一般の方にはあまりおすすめしない方法なのですが、ガイド目線だとこれがかなりわかりやすいです。
さきほどの写真、周囲のシラカバはすっかり葉が出ているのに、ダケカンバだけ葉が小さいのが分かるでしょうか?
上高地では、シラカバの芽吹きが5月中旬、ダケカンバの芽吹きが5月下旬。
この写真は5月14日の撮影なのですが、ちょうどこの時期に見ると、この一点で見分けがつくくらいにはっきりと差が出ます。
ただこの方法は、シラカバとダケカンバの両方を見比べられて、かつ芽吹きのタイミングを逃さずに見られる方向けです。
ご近所に両種ある方は、ぜひ注目してみてください。
他にも、果穂がシラカバは下向きダケカンバは上向き、分布する標高がシラカバは1500m以下でダケカンバは1500m以上(ただし本州中部の話)、寿命がシラカバは短くダケカンバは長い……などなど、色々な違いがあります。
すべて覚えるというのは大変ですが、わかりやすいものを二つ、三つ覚えておくと、野外での見分けがつきやすくなります。
今週末の講習会では、そのほかの様々な樹木についてもご紹介します。
内容は下記の案内をご覧ください。
皆様のご参加をお待ちしております!
【現役ガイドの講習会:Discover Kamikochi~上高地を学ぶ~】
●第三回「上高地の樹木」午前の部[スタンダード] 2023年1月29日(日) 10:30-12:30
・樹木の覚え方(樹木の基本)
・上高地の樹木(よく見る17種の見分け)
・樹木と環境
対面講習2,000円/オンライン講習1,500円
●第三回「上高地の樹木」午後の部[バラエティ] 2023年1月29日(日) 14:00-15:30
・シラカバとその仲間たち
・上高地のキノコ
対面講習1,500円/オンライン講習1,000円
※参加費は全て税込みです。
※対面講習は講習当日、現金/PayPayでのご精算です。
※オンライン講習はクレジットカード/コンビニ・ATM/PayPal・銀行口座振替での事前精算です。
●対面講習会場
信毎メディアガーデン 3Fスタジオ
JR松本駅から徒歩約8分
地図および周辺の有料駐車場は[こちら]をご覧ください。
※上高地は冬期休業中です!
11月中旬から4月中旬までの約5か月間、上高地は冬季閉鎖となり、ホテル・レストラン・バス等の営業もありません。
冬の上高地へお越しの場合は、雪崩や地吹雪の危険がある中での冬山登山となります。
お越しをご検討の方は必ず以下をご確認ください。
【YouTubeメンバーシップチャンネル開設!】
2023年1月より、過去の配信イベントをご覧いただけるYouTubeメンバーシップチャンネルを開設いたしました。
詳細はこちらをご覧ください。
【上高地・冬の配信イベント】
FIVESENSEでは、上高地のシーズンオフにも様々なイベントを実施いたします!
●上高地オンラインガイドツアー【冬期】
①2023年1月22日(日)18:30-20:30
②2023年2月19日(日)18:30-20:30
上高地を実際に歩いた散策風景の動画を見ながら、現地ガイドがリアルタイムで解説します。
ご自宅などお好きな場所から、YouTubeにてご覧ください。
●Discover Kamikochi~上高地を学ぶ~
現地ガイドが講師を務める上高地の座学講習会。
今年の講習会も、松本市・信毎メディアガーデンでの「対面講習」と、WEB配信の「オンライン講習」を同時実施いたします。
第一回「上高地の花」2022年12月11日(日)
第二回「上高地の鳥と動物」2023年1月15日(日)
第三回「上高地の樹木」2023年1月29日(日)
第四回「上高地の歴史」2023年2月12日(日)
第五回「上高地の歩き方」2023年2月26日(日)
※各回の内容は独立しておりますので、どの回も1回からご参加可能です。
■対面講習
・10:30-12:30 午前の部[スタンダード] 各回2,000円
・14:00-15:30 午後の部[バラエティ] 各回1,500円
■オンライン講習(対面講習をYoutube Liveにて同時配信)
・10:30-12:30 午前の部[スタンダード] 各回1,500円
・14:00-15:30 午後の部[バラエティ] 各回1,000円
冬期も、FIVESENSEのイベントへのご参加をお待ちしております。
★ネイチャーガイドFIVESENSEのYouTubeチャンネルはこちら★
6月14日から2泊3日で、鈴木知加子で予約しておりますでしょうか?
もし、予約してましたら、都合悪くなりキャンセルお願いします。
ご確認お願いします。
鈴木様
コメントありがとうございます。
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もしメールが届かないようでしたら、[お問い合わせフォーム]https://fivesense.guide/contact/より再度お問い合わせをいただけますと幸いです。
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